エントリー

2009年06月の記事は以下のとおりです。

ルル!最高の友達だったね。

ファイル 2-1.jpgファイル 2-2.jpg

冬とはいえ、陽光がさんさんとふりそそぐ部屋、君はお気に入りのベッドで気持ちよさそうに眠っていた。

口腔内の癌といわれて4ヶ月、懸命の治療を続けるも病状は日増しに悪化していた。左上顎歯肉の腫瘍は着実に増大し、眼は押し出され、鼻腔もつまり、口が閉じられなくなっているため水も飲めず、舌をぬらすだけ。食べ物は病猫用缶詰を温湯でポタージュ状にのばしてスプーンで口に流し込む。食べるときは腫瘍が邪魔で噛めないため、前足の爪を使いおそろしい力で腫瘍をひっかきとろうと転げまわり、血と肉片が飛び散る。したがって、食べた直後、すばやく口の中の食物残渣をふきとらなくてはならない。少しづつ、ほめながら食べさせる。

おしっこもうんちも人手をかりなくてはならないのは、気品ある猫族としてなさけなかっただろうなあ。ごめんね、ルル。

今日は久しぶりの日曜日、朝からずうっと君のそばにいるからね。平日なら起こして朝食を食べさせるのだけど、昨日病院で注射を3本もして疲れているはず、目覚めるまでゆっくりお休み。君の血のついたシーツをたくさん洗濯するからね。きれいに干して、さあ、ひと休みと座ったとき、何かを感じてハッとルルをみると、呼吸していない!あわてて胸を強く押す。クウと声がした。まだからだは温かい。必死で胸をおし、全身をさすりつづけるも呼吸が戻らない。そんな!ルルが死ぬなんて!ルル、ルル、と泣きながらやせ細ったからだを抱きしめ、うろたえた。何をすればいいのかわからなかった。

17才と10日。エメラルドの瞳が引き込まれるように美しい、ブラウンタビーのアメリカンショートヘアー。両親と兄弟2匹で2ヶ月間育てられたため、猫のしつけは完璧。17年間一度も爪をたてられたことはなかった。

3ヶ月のとき、私が一晩外泊した。そのストレスのためか下痢、ついで汎白血球減症を発症、獣医さんから99%助からないといわれた。3週間におよぶ闘病でみごとに生還。最悪の日、私は診療を休んでつきっきりで看病した。その後、ひとりぼっちにしたことは一日もない。この病気で腰椎をやられ、ジャンプできない猫になったが、そのため、マンションでも暮らせたのは不幸中の幸いだった。

血で硬くなった手を温湯できれいにし、カシミヤの毛布にそっと寝させ、スミレの花束を持たせた。史子さんが白く透明に輝く、それはそれは美しい薔薇の花束をもってお悔やみに来てくれたよ。ふみさんは、私を心配してお弁当をもってきてくれた。二人とも最近、最愛の猫を亡くしたやさしいひとたちで、ルルも遊んでもらったよね。

ルル、ありがとう!17年間ほんとうに楽しかったよ。6ヶ月すぎた今でも玄関のドアを開けたら君が出迎えてくれている気がする。もちろん、「ルル、帰ったよ!」といってドアをあけるのだが。

ソファの隅から時おり強烈な君の香水が匂ってくる。すばらしいおみやげだね。

ページ移動

  • 前のページ
  • 次のページ
  • ページ
  • 1

ユーティリティ

2009年06月

- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

新着エントリー

10月の休診
2017/10/04 11:04
夏休みのお知らせ
2017/08/03 15:01
代診のお知らせ
2017/07/24 09:17
代診のお知らせ
2017/07/08 09:06
5月のお休み
2017/05/08 16:15

Feed